佐伯太輔〜ゲゲゲ公演を終えて②〜

<佐伯太輔サンコメント>

鬼太郎役の佐伯です。
『ゲゲゲのげ』に御来場頂いたお客様方、
陰ながら応援して下さった方々、
何らかの形で携わって頂いた方々、
本当に有り難う御座いました!
何とか無事に千秋楽を終えることが出来、
本当に感謝の気持ちでいっぱいです!
終わってから一週間以上経った今になってやっと、
あ〜、終わってしまったんだなぁという寂しさが込み上げて来ました。
思い返しても、はっきりとした鮮明な記憶では無く、
現実と幻想の中間のような、曖昧な風景が脳裏に焼き付いています。
終わった次の日から、7の椅子の稽古に合流し、
感慨に耽る暇が無かったからかも知れませんが、
ゲゲゲの本番中は、僕も魅惑の魔境に迷い込んでいたのかも知れません。
最後の千秋楽まで、安心できない、落ち着けない、
まるで宙に足が浮いているような、
ユラユラと揺れるブランコに乗っているような、
そんな不思議な不思議な舞台でした。
解釈は人それぞれで、様々だと思いますが、
この作品から貰ったメッセージは数多く、
本当に色々な事を考えさせられました。
今までの人生を思い返すと、
背けてきた嫌なこと、見たくないこと、聞きたくないことに、
可、否という曖昧な結論を出してきました。
自分の中に在るこちら側という現実から逃避する事によって創り出した、
あちら側という魅惑の楽園には、理想的なヒーローが存在し、
恰も全てが解決されたかの様に導いてくれました。
しかし、頭を凝らし、目を見張ると、
それはまるでトリックアートの様にまがいものであり、
魅惑の楽園はアッという間に魔境へと姿を変えてしまう。
これが現実なのか?
視点を変えるだけで、あちらとこちらは簡単に逆転してしまう。
一体何が現実なのか分かりません。
でもきっと全てが現実なのでしょう。
自分が塞いできた嫌な事から、
逃避することで逃れたつもりでいたのに、
ユラユラと揺れるブランコの様に、
自分自身を縛り付け、
身動きできずにずっとずっと軋んでいたんですね。
それは自分自身では無く、他人をもまきぞいにして。
自分の周りには沢山のモノが有り、沢山の人がいて、
そういう環境の中で、自分という人間が形成されています。
でも、そんな自分も様々な人を形成する環境の中に存在するということ。
それだけ自分という人間が、
他人の人生に深く影響しているんだということを思い知らされました。
上手く書けませんが、もっともっと自分自身を見つめ直し、
様々な事を受け入れる勇気と強さを持たなきゃなぁ、
なんて思ったりしてます。
長くなりましたが、『ゲゲゲのげ』を応援して頂いた方々、
本当に有り難う御座いました!
さて、スタソンもこれから様々な事に挑戦していきますので、
これからも宜しくお願いします!