★☆-ゲゲゲのげ-について☆★


今回は岸田戯曲賞を受賞している、
作:渡辺えり子「ゲゲゲのげ」の作品の魅力を〜
少し皆様にお披露目。
作品が見やすく楽しみやすくなるはずです楽しい
戯曲解説に掲載されている美輪明宏さんたちのコメントを
一部掲載してみたいと思います。
【美輪明宏さんの解説文より】
<ボーダレスの価値観>
渡辺えり子の芝居を劇団3○○の旗揚げ以来、今日迄ずっと
観続けて来て言える事は唯一つ、彼女の中では、その宇宙
全ての森羅万象が同じ意味、同じ価値観で同時に存在している
という事である。
時間も空間も、男も女も、生者も死者も、あらゆる生き物も
物質も、マンドラゴラも靴も宝石も、うどんも河童も船も国も、
過去も未来も現在も全て同じ意味、同じ価値で、同じライン
の位置に並び存在している世界である。
それこそが渡辺の作品を読み解く鍵に他ならない。
何もかもがボーダレスつまり境界線が無い世界なのである。
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また別の解説では、
「ゲゲゲのげ」の物語は、誰もが封印しておきたい記憶の扉。
渡辺えり子はその扉をこじあけただけでなく、魔境(マキオ)の
世界へと観客を誘ってしまう。
※魔境とは・・・ 悪魔や魔物の住む世界。
登場人物全てが主人公マキオの魔境の世界とつながった現実
である。マキオの妄想の世界の物語である。
そう、渡辺えりの芝居の魅力を一言で言うのなら
「失ったものに再び出会える」ことにある。
いつかどこかで失ってしまった大切な人に、もう一度出会うことが
出来る芝居。傷ついた者、弱った者、死んでいった者の回復と再生
の物語がそこにはある。
私はこれまで、どれだけ渡辺えりの芝居に助けられ、慰められ、
目を開かれてきたことか。
それを言い換えるなら、渡辺えりがどれだけ傷ついてきたか、
他人の痛みがわかる人間か、ということである。
(歌人 林あまりさんの解説より抜粋)
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この様々な人たちから絶賛されてきた今作品、
冷たさと温かさ、そして恐怖と娯楽が共存する、
時空を越えた物語をどうぞお楽しみに!