-演出家コメント!「真田風雲録」稽古に思う-

<演出家コメント>
毎日毎日、刺激的な毎日が過ぎていく。
稽古場では、数百年前に時代を切り開くために必死で生きた若者を、時代を、
皆でリスペクトしながら作品創りに奔走している。
激しい筋トレから始まり、今では作品の中に登場する数々の殺陣の手を
必死で吸収する出演者たち。
早いもので2週間が過ぎた。
スタンダードソング、そこは私にとっても、スタソンの仲間にとっても、
ほかでは出来ない作品創りへのこだわり、モノを創る心を取り戻す場所。
筋肉がプルプルするほど激しい稽古の後、必死に愛情を込めて創り上げる
小道具、衣裳。
刀、甲冑、旗、家紋、尺・・の数々。
昔に比べればスタソンも小道具や衣裳も、どこからか借りてしまえば、
お金で済ませれば楽なことが沢山ある。
でもスタソンの皆は違う。
自分たちの生きる場所、居場所は自分たちで創り上げる。
いつも日々の人生とリンクする。
モノが豊かになり、デジタルなこの時代。
でも本当に大切なことを手にする為には、自らが手を施し、真心を込めて、
真剣に、楽しく、豊かに何かを創り上げて行くしかないのかも知れない。
人生の原点が、スタソンの原点が、ここにある。
いつもいつも最後は、この真心と、真剣な心だけがスタソンを支えてきた。
今回の物語の十勇士たちは、自分たちの結末をしりながら
何事にもひるむことなく、自分の人生の美学を貫き通す。
カッコイイ。
スタソンも自分たちの原点を。
自分たちの今思うここでしか出来ない劇を。
自分たちの生き様を。
自分たちの軌跡を残せば、それでいい。
思う存分夢を持ち生きて、思う存分楽しもう人生を!
熱い彼らと共に、今この時の空気を吸って生きている。
数百年後、十勇士に負けない、生き様を残す。
そんな気概で生きていくのだ。
「瞬きひとつのあいだの一生
 僕たちはみんな一瞬の星
 瞬きもせずに
 息をすることさえ惜しむように求めあう」
この歌詞が頭をよぎった・・・
演出家 宇治川まさなり