ファンタジープラネット 出演者コメント4

ハインリヒ/末原拓馬
 

演劇公演て長く長く稽古をするのに本番はほんの少し、
東京ドームなんかで公演する訳でも断じてないから、
せいぜい数千人の観客にしか贈り届けられない……

と、それを超絶ネガティブな事態と受け取るか、
熱烈スペシャルな事態と捉えるかは完全に個人の裁量次第で、

言わずもがな、『ファンタジープラネット』の現場に集う自分が
どちらの側に属する人間なのかは明白で。

牛丼20杯食えるくらいのチケット代をいただいて、
一体なにを仕出かす心積もりなの??と問われれば、

それはそれなりにシビアな緊張も抱きつつ、
笑って欲しい。とにもかくにも、ハッピーに なってもらいたい、
と、そこに尽きるわけです。

たかだか2時間そこいらの物語が、誰かを生涯力づけ続けるだけの
エネルギーを秘めてしまうことって確かに有り得ると信じ切っているわけで、

だからこそ、毎日、クタクタになりながらも全力で稽古場に赴きます。

『ファンタジープラネット』はどこまでも荒唐無稽な物語で、
そもそも登場するのはみんな童話の世界の人物で、
お姫様とか王子様とか魔女とかウサギやカエルとか……

いい大人(なんと14歳の子供も出演してるけ ど!)が集まって
全身全霊を捧げる公演としては極めてチャイルディッシュな切り口。

だけど、その核に存在する感情や主張はたまらなく痛々しくて、
突き抜けて現実めいていて。

「ああ、これは、誰かを幸せにしたいのに上手くできずに
 もどかしい全ての大人の物語なのだな」
、なんて思うのです。

僕、末原拓馬はハインリヒと言う目も当てられないくらいに
トンマな役を頂きまして、ひたす らバタバタと駆け周ります。

(僕自身はたまらなく聡明で落ち着きに満ちた人間ですが)
このハインリヒの中に宝石のように輝く愛が存在しているのがたまらなく、
読み込むほどに役が自分の中に染み込んでくるのを感じています。

大切な大切な一作にしたいと心から切に願い、
真摯に力を尽くしたいと思っています。

みなさまにお会いできることを、心待ちに夢にみて。

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ジョージ(白い王子)/石井雅登

 

はじめまして、石井雅登です。

基本的にテレビを見ないので共演者の皆様の経歴も
殆ど実感を持つこと無く稽古に参加しております。
きっとファンの方々からすれば「替われ!」
と言いたくなる現場なのでしょう。

そんな中、今作では「白の王子」を演じます。
実はこれまで「王」の役を演じたことはあるのですが、
この年齢で初めて「王子」と名の付く役を演じることになり、
少々戸惑っております。

俺で良いのか?
しかも「白の王子」

俺で大丈夫か?
どんな王子でしょう‥?
各キャラクターとの関係は?

ご観劇までお楽しみに。
初日に向けて共演の皆様と一緒に日々役と作品を深めていきたいと思います。
劇場にてお待ちしております。

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ブラック(狼)/松永一哉

 

松永一哉です。
ファンタジープラネット早速稽古が始まり
笑いが絶えない現場となっております。

今回私は赤ずきんをひたすらに食べたがる狼の役でございます。
身体を動かしまくり歌い踊り板上を縦横無尽に
駆け回るといった腰に来そうな感じです が・・・笑
久々のアニマル、獣の心を存分に押し出して行 きたいと思います。

又、振付師としても参加させて頂きますので
そちらの方も是非注目頂ければと思います。

あと一ヶ月をブッチギリで切りましたが演出宇治川さんが創り出す世界観、
そして実力派で個性的なキャスト、スタッフが同じベクトルを向き生み出す
ファンタジーの世界を是非堪能しに 来てくださいね。
左から 松永一哉 末原拓馬 石井雅登